プライマリーMRとオンコロジーMRの違いとは?

MRの仕事
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でんでん
でんでん

こんにちは!『会社に縛られない生き方へ!MRのブログ』管理者のでんでんです。

わたしはプライマリーMRとオンコロジーMRの両方を経験しました。

プライマリーMRとオンコロジーMRの1番の違いはオンコロジーMRがある買う医薬品、すなわち抗がん剤が使用される患者の多くは数ヶ月から長くても5年以内に人生を終えるということです。

もちろんStageや癌腫によって異なります。プライマリーMRとオンコロジーMRの違いは命との距離にあると思います。

プライマリーMRとオンコロジーMRの違い

プライマリーMR

プライマリーMRは糖尿病、高血圧などの生活習慣病や骨粗鬆症などの加齢に伴い罹患する疾患などに関する薬剤を扱うMRのことを指すことが多いです。ワクチン、透析、神経、精神など昨今ではその領域が細分化されつつあります。オンコロジーMR以外を広義の意味でプライマリーMRと呼ぶこともあります。

オンコロジーMR

オンコロジーMRは抗がん剤を扱うMRです。抗がん剤と一言で表されますが、その種類と特徴、標的にする癌腫によって必要とされる知識も大きく異なります。そのため最近では癌腫毎にMR分け、または抗がん剤毎にMR分けるなど、オンコロジーMRの中でも細分化される傾向が強いです。

プライマリーMRもオンコロジーMRも基本は同じ

MRの仕事は自社医薬品の情報をエビデンスに基づいて医師をはじめとした医療従事者に提供することです。安全に効果の期待できる患者に自社医薬品を使用いただくために情報提供して売上を伸ばすことを目的にした営業職であることはプライマリーMRもオンコロジーMRも同じです。

オンコロジーMRの効かないは死への確実な前進

抗がん剤や使用する順番がエビデンスに基づき、添付文章やガイドラインで規定されています。つまり、1番目の抗がん剤が効かず、2番目の抗がん剤を使用することになるということは死へ近づくことを意味します。基本的に1番目の抗がん剤よりも2番目の抗がん剤が効く確率は少ないです。

扱う抗がん剤によっては1番最初から使えない抗がん剤も多くあります。プロモーションする自社抗がん剤が2番目以降にしか使用できない場合は最初の抗がん剤が効かなかった患者の発生を待たなければなりません。

営業マンとしては患者の不幸を待ち、訪れた不幸を歓迎するのでしょう。

一方で、プライマリーMRも同様のことが言えます。糖尿病治療薬を扱っている場合を考えると他剤で治療中の糖尿病患者の血糖コントロールが悪化したタイミングで、変更の提案、上乗せの提案をするわけです。患者にとって血糖コントロールが悪化することは望んだ状態ではありません。しかし、常に治療が上手くいっていると営業マンとしてはチャンスがないので、悪化を歓迎するのでしょう。

基本的にはプライマリーMRもオンコロジーMRも同じですが、患者の病状が悪化は営業マンとしては捉えないとならない情報です。病気は難しく生活習慣病も癌も完治はできないものも多くあります。その中で、悪化した悪い状況を脱するための方法を医師と議論できるMRである必要があります。そして、その際の命との時間的距離は少しオンコロジーMRの方が近いという違いがあるのみです。

オンコロジーMRの営業は有事に備える営業

“この状況になればこうする”

この考え方は非常に大切です。言わば、想定しておくということです。医療は非常に難しく、全く同じ事象は2度とありません。ここが医師をはじめとした医療従事者を尊敬する部分です。似た事象はありますが、少しずつ違う背景の患者に対して最善の選択を繰り返しています。その一方で、何か指標になるものがなければ、方向性の決定はできません。そこで使用されるのがエビデンスです。MRが扱えるのはエビデンスがあるデータのみです。エビデンスを基に医師に情報提供を行います。必ずデータのみで判断できない境界がありますので、どこからエビデンスを超越した医師の経験と裁量となるのかを明確にしておくべきでしょう。そうすることで、エビデンスの中で判断できることも明確になります。合理的かつ客観的に考えた場合に手術や他社の医薬品の選択を促したとしても、MRは営業として数字で困窮することはなくなります。

これはオンコロジーMRだけではなくプライマリーMRにも言えることですが、特にオンコロジーMRには必要なことです。

自社のデータだけ知っているMRはダメ!

情報提供ガイドラインを言い訳に勉強しないMRが増加しています。

プロモーションする医薬品のデータを理解していないのは話になりませんが、その疾患や治療に関わる情報はしっかりインプットしておくことは最低限の仕事です。前述の通りオンコロジーMRは抗がん剤の使用順序が規定されています。前後の治療にどんな選択肢があり、どんな有効性安全性の特徴があるのかを知り、総合的に考える必要があります。全体を俯瞰して捉えることができなければ、的外れな情報提供となります。

全体像を理解することはどの領域でも必須であるにも関わらず、一つの臨床試験の結果を持って点の議論でアプローチするMRが散見されますね。

基本的にはプライマリーMRもオンコロジーMRも大切な役割を担っていると自覚していれば、大きな違いはないと考えます。その中で違いを挙げるとすれば、命との距離がオンコロジーMRの方が近いのではないでしょうか。

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