MRとして働いていると転職はある意味では自然かもしれません。
しかし、複数回の転職をしているMR、特にオンコロジーMRに特徴に気がつきました。
それは、
好きなことは強い!
好きでないことは激弱!
と言うことです。
その理由が判りました。
オンコロジーMR転職の理由とは
わたしもオンコロジーMRとして多くのオンコロジーMRと関わってきました。
そこで、判明した共通点です。
転職には色んな理由がありますが、オンコロジーMRに特に多い特徴です。
得意なことを求めて転職
転職を数回経験している人は得意分野(好きな癌腫)があることが多いです。得意分野の論文やデータは本当によく知っているし、すぐに調べます。
その得意分野で有望な新薬が他社で発売が控えている場合に転職という選択をしがちです。
得意なことが会社から求められなくなって転職
前述の逆パターンです。
得意分野で仕事をしていたけれども、競合他社のエビデンスが勝り標準治療が入れ替わることはしばしばあります。
もし標準治療が入れ替われば、かなり厳しい戦いが予測されます。加えて、会社は他の領域(癌腫)の評価ウエイトを重くしてくるため得意分野が活かされなくなります。
多くの場合はデータが発表されてから日本国内で当該レジメンを使用可能になるまで時間差があります。その間に、有意なエビデンスがある薬剤の会社への転職を検討します。
他社で得意なおいしい話がある
こちらも上記と関連しています。
自分が得意とする癌腫の有望な薬剤が上市が予定されている会社は魅力的です。
自分の強みを活かすことができ、エビデンスもあり売りやすい。こんな薬剤がある会社がキャリア採用を募集していれば興味を抱かずにはいられません。
転職を繰り返すオンコロジーMRの経験値は低い
少し刺激的ですが、事実です。
ただ、複数回転職オンコロジーMRはある一定分野の経験と知識は深いです。
でも、それだけです。
専門MRなので、その分野での経験と知識は非常に重要です。
しかし、会社は得意な癌腫のみをそのMRに任せることはありません。複数の癌腫を担当させます。
その中の馴染みが薄い癌腫に対しての苦手意識や勉強に積極的でないMRが多い様に思います。得意癌腫以外への興味が極端に低いです。
例えば、肺癌が得意なMRは肺癌についての臨床試験や論文はよく知っていますが、血液癌も同時に担当になったとしても血液癌の情報は積極的には調べません。その逆もそうです。
私は今でに10癌腫以上の経験があります。
どの癌腫もそれぞれの特徴があり、その領域の理解をするたえめには最初かなりの勉強が必要になります。勉強はかなりハードですが、多くの癌腫を経験することで気づくことがあります。
- 研究や臨床データが豊富な癌腫とそうでない癌腫
- まだ研究が必要で治療選択肢もデータも乏しい癌腫
- 異なる癌腫だが、考え方を引用できる癌腫
広く経験することで見える視点があります。
そう言う意味では腫瘍内科医の考え方と近いのかもしれません。
複数回転職をするオンコロジーMRは得意分野ばかり渡り歩くので、知識は深くなりますが、視野が狭いです。
彼らは得意分野の論文やアペンディックス、サブグループ解析を細かく調べ、どうにか自社医薬品に有利なポイントがないかを探します。
エビデンスとは言えないデータを根拠に正当性を主張したり、有利な主張をするKOL発言を広げようとする根拠に乏しい滑稽な傾向をしばしば目にします。
複数転職MRの経験値は低い原因
得意なことしかやらないからです。
新しい経験、つまり厳しい環境や苦手な領域(癌腫)で試行錯誤することなく転職をします。
そうすると得られるはずであった新しい気付きを得ることなく、次の会社で同じ様な仕事を続けることになります。
MRの転職需要が続く間はよいですが、得意分野で重要がなくなったときの行き場がなくなります。
まとめ
わたしがオンコロジー領域に参入した際に感じたことは、オンコロジーMRと自分の知識と経験の差でした。
全く敵わないとさえ思いました。
しかし、今は逆転しています。
なぜなら、彼らは好き嫌いが激しいからです。もちろん私も興味が深い癌腫とそうでない癌腫はあります。
しかし、総合点として敵わないと思うMRは多くはいなくなりました。
次は私の異動の番かな・・・。
久々にエージェントと話をしてみよう。
コメント
まさに私です笑
得意なところで戦う、自分にしかできないところで戦うのがベストだと思って見てました、しかしながら結局のところ数字がすべてだと思います、
興味深いものでした。
ぐーたらさん
得意なところで戦うのは素晴らしい戦略だとおもいます。フィールドの変化縮小が懸念されるところです。
パフォーマンスを常に出せていることが大切ですね。