こんにちは!『会社に縛られない生き方へ!MRのブログ』管理者のでんでんです。
先日、グラクソ・スミスクライン(GSK)の社員が激減していることが報じられました。
2021年1月時点で2,800人在籍していた社員数が、2022年1月には2,500人と大幅減少です。
たった1年で300人もの社員がいなくなりました。
パーセンテージにして10%の減少です。
約3,000人規模の会社が、たった1年で10%の社員数減少は製薬業界に限らず衝撃的な数字です。
ちなみに、
2020年の在籍社員数も2,800人だったようですので、一気に社員減少に転換したことになります。
今回はこの衝撃的なニュースの背景について考えていきたいと思います。
衝撃!早期退職募集による減少ではない
300人(10%)の社員減少と聞くと、まず思い浮かぶのが早期退職募集制度の実施です。
今回のグラクソ・スミスクラインの大幅社員数減少で1番衝撃を受けたポイントは早期退職募集による減少ではない点です。
社員数の減少傾向になかった会社が、1年で300人、割合にして10%の大幅な減少。
インセンティブもなく、前年に社員数が維持されていた会社が10%減少するのは不可解過ぎます。
MRについては1,400人が200人退職し、1,200人なったとされています。
MR退職理由をRIS FAXではいくつか挙げています。
MRの環境の変化として
- ザイザル、アボルブの後発品発売
- 支店、営業所を撤廃
- 卸との販促協業廃止
- 「販売情報提供ガイドライン」の徹底による活動の締め付け
などが挙げられている。
その中でも、業績が厳しいグラクソ・スミスクライン(GSK)はコスト削減を推進しているとのことである。そのコスト削減に人件費の削減も含まれている模様。
人件費を含めたコスト削減を推進しているにも関わらず、早期退職募集を行わないのも不可解ですが、300人もの社員が一気にいなくなっているのには何らかのオープンになっていない理由があるのでしょう。
注目すべきはMRの士気
前述の「販売情報提供ガイドライン」の遵守は大切なことです。
一方で、この販売情報提供ガイドラインを超えた情報を医師達は求めるケースが多々ありました。今でもその点を理解頂けない医師もいるのも事実ですが、現医師の中でも販売情報提供ガイドラインの認知が上がってきています。
医師の中で販売情報提供ガイドラインの認知が上がることは素晴らしいです。コンプライアンスを遵守した活動がMRに求められていることを理解し、
「承認情報以外のレギュレーションを超えた情報提供ができません」
MRからこの言葉を聞いたことがある医師が大半となっているように思います。
しかしながら、どうでしょう??
論文にはなっていないから企業の営業担当(MR)に情報を求めていた医師達が、金太郎飴みたいな一方的な情報提供しかできなくなるMR達とコンタクトをとろうとするでしょうか?
しませんよね。
でも、どの企業もターゲット医師の面談数や面会カバー率、などの昔ながらのKPIでMRの活動を管理・評価し続けています。
顧客に必要とされない活動をし続けるMR達は仕事にやりがいを感じなくなります。MRとしての存在価値を感じなくなり、士気が下がる・・・。
グラクソ・スミスクライン(GSK)の退職した200人のMRの中にも仕事へのやりがい、士気、モチベーションが理由で去っていった人もいるでしょう。
早期退職せずにMRが退職すれば企業はハッピー
早期退職制度は企業のコスト構造を改善するために一時的に退職金を上乗せして支出を多くしてでも社員に辞めてもらった方が、長い目で見れば得になります。
だからこそ退職金上乗せというニンジンで、退職者を募るのです。
今回のグラクソ・スミスクライン(GSK)のニュースでは早期退職制度を実施していない。本当にそうであれば、企業経営者からすると費用をかけずに人件費のコスト削減ができたことになります。私が経営者であれば、これほど嬉しいことはないでしょう。
反対に上乗せの退職金なしに退職したのであれば・・・結構辛いですよね。
この会社に限らず、製薬会社のコスト最適化(不要な社員の削減)の動きは2022年は加速すると考えます。
有価証券報告書を読んだことがあるでしょうか?
有価証券報告書にはその企業の事業リスクが書いてあります。
開発予定品のことや競合のこと、コンプライアンス、コストのこと、人材のことなど、その企業が考える事業リスクについて書いてあります。
もし、あなたが製薬会社で働いてて、今後人員削減があるのか気になっているのであれば、自社の有価証券報告書を見てみることをおすすめします。
まとめ
今回はグラクソ・スミスクライン(GSK)のニュースを取り上げましたが、製薬業界全体で多かれ少なかれ同様の傾向があるのではないかと思います。
今後の売上に貢献できる薬剤があるか、その薬剤の販売にMRは必要か、そこは大きなポイントであるでしょう。
その様な薬剤がない場合、人員削減が行われるのは必至。
その中でも効率的な営業活動にシフトすればするほど、システムへ投資をし、人件費を削減する動きはまだまだ続きそうです。
情報提供ガイドラインにより活動が縛られる中、士気を失うMRはどこへ向かうべきなのでしょうか。今年の各社の有価証券報告書を見るのが楽しみなようで怖いです。
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